競馬を始めた頃、『馬券で飯を食っていければ……』と思っていました。
その思いは今も変わっていないのですが、この2,3年で馬券師の難しさを痛感したので所感を述べていきたいと思います。
馬券師の定義
これは諸説あると思います。
共通認識としては『馬券の稼ぎだけで食ってる人』。
私が思う馬券師は『週20万以上のプラスを出している人』ですね。
何故20万かというと、週10万前後の収支は週末パチンカーも出してくる戦績なので、パチンカーよりレートが自由な分稼いでおかないと馬券師としてどうなの? ってことですよね。
パチンカーとの比較で言えば、
・拘束時間が短い
・どこでも稼げる
・掛金の自由が利く
という3大メリットがあるので、収支で張り合うのは単に見栄の問題なのかもしれません。
理想は『企業の勘定科目として存在する人件費レベルの収入を毎月稼ぐ人』ですかね。
サラリーマンをやっていると、会社が社員に設定している人件費を知る機会があると思います。
これがまあ、中々な金額なんですね。
手取り何年分だよ……と思ってしまう金額です。
そこまで稼げたら間違いなくプロの馬券師です。
上で書いたことは非現実的すぎると痛感しましたので、
『年300万以上のプラスを出している人』が現実的に居そうで、生活も成り立ってそうな馬券師かと思います。
月25万を稼ぐ
年300万以上のプラスとなると、月25万以上をコンスタントに出し続ける必要があります。
単勝なら3.5倍の馬に10万入れて解決しますか?
10万で1.8倍を2回転がしても32.5万。
1.3倍の複勝なら5回転がさなければなりません。
正直……厳しいですね。単勝2コロはまだいけますけど、複勝5コロはかなり厳しい。
レースを選んで5コロを目指すには2,3週間必要でしょうし、複勝は何か刺激が足りなくて、途中から『やってられるか!』って投げちゃうんですよね。
じゃあワイド、馬連はどうかとなると、現在進行形で総合収支マイナス10万%くらい行ってます。
1回的中させた後、上手くスノーボール出来てないのが現実です。
馬連3連チャンできれば年間収支即プラス出せるんですけどね……。
馬連的中率が30%くらいあれば成り立つかも、とは感触として思います。
三連系でもかなり難しいイメージですね。
点数が増えると元手の割に利益が薄いように感じてしまいます。
カチカチの三連単1頭頭固定で相手2頭流しが好きなのですが、2,3着に入れた馬が1着になるケースが多く、それがフラッシュバックして賭けづらいですね。
一時期GI 三連単5頭BOX縛りをして、1点1,000円×60点=6万円でやっていた時期があり、帯も拾えたことはありますが、それで年間300万のプラスを出せるかとなると、大荒れレースを仕留めきる豪運がないと難しいですね。
今までいろいろ試した中で一番経済的かつ継続できそうな手法が、GI 三連単5頭BOX縛りです。
年間使用金額が決まっているのが一番のストロングポイントですね。
磨り減る財布の中身に怯える馬券師にとって、底が見えている安心感は本当に大きいです。
デメリットは回数制限があることで、1年の半分は無職だということです。
今、重要なことを書きましたが、馬券師(に限らず遍くギャンブラー)は財布の中身(あるいは口座の残高)が負けるたびに磨り減っていく恐怖と戦う仕事なのです。
馬券師をやるって難しい
馬券師をやる前に、下記のような経験があるか考えてみましょう。
共感できる人は終わりです。一緒に頑張りましょう。まだ捲れます。
・ATMの1日出金上限が50万円なのを負けを捲るための追い金しようとした時に知ったか。
・30分かけてウインズの近くまで行って、コンビニのATMで10万降ろして、目当てのレースの30分前に着いてパドック見て馬連買って、間割られて1,3着になって何も買わずに30分かけて帰る経験をしたことがあるか。
・今週は貴重な土日休みだから、と勇んで迎えた日曜の正午、土曜日30万負け、日曜午前40万負け、トータル70万負けという絶望の12時40分頃を経験をしたことがあるか。
・50万負けで迎えた最終12レース、そこから52万プラスにしてトータル2万勝ちでつく安堵のため息の深さを知っているか。
・最終レース負けて、土日合計130万負け、そのままベッドに倒れこんで、次に目が覚めたら19時で、冷蔵庫には何もなくて、負けたからスーパーに行く金も気力もなくてそのまま水だけ飲んで過ごす日曜の夜の虚無を知っているか。
・大負けしても月曜日は出社しないといけない憂鬱を知っているか。
・月に200万以上負けた経験はあるか。
厚張りタイプの馬券師であれば何となく覚えがあるかと思います。
1日にン十万円なくなったらね、人間おかしくなります。
狙いの1レースで突っ込んだ10万、20万が返ってこなかったとき、心の底から『馬券師って難しいな』と思います。
いかに負のスパイラルに陥らずに勝ち続けられるか――。
馬券師業、永遠の課題だと思います。
年間を通して勝っている馬券師、専業として飯を食っている馬券師の方、凄いと思います。
実際に金を積んで試行錯誤して、その凄さが身に沁みました。
私もまずは今年の収支をプラスで終えたいと思います。
秋GIはまだ残っています。
頑張りましょう!
すべての馬券師にリスペクトを込めて。